@三種混合(DPT)や日本脳炎の接種間隔が規定よりも空いてしまったのですが?
Bはしかやみずぼうそう、おたふくかぜなどの病気にかかってしまった場合、その後の予防接種は?
E熱性けいれん(ひきつけ)を起こしたことがあるのですが、予防接種はどのようにうけたらよいのでしょうか?
Fアレルギーがあります。予防接種は受けても大丈夫なのでしょうか?
G予防接種によって、何回も受ける必要があるものや1回だけでよいもの、次の予防接種までの間隔が長いものと短いものがありますが、なぜですか?
H定期接種の規定の年齢を過ぎてから、受けていないことに気付きました。どうしたらよいでしょうか?
I受けなければいけない予防接種がたくさんありすぎて、何から受けたらよいのかわかりません。
1.よくある予防接種についての質問
@三種混合(DPT)や日本脳炎の接種間隔が規定よりも空いてしまったのですが?
副反応とは、予防接種を受けたことによって起こる有害な反応のことです。
接種部位のしこり 接種後、小さいしこりに気付かれることがあります。これはワクチンの成分によるもので、1か月程度で消えるので全く問題ありません。
無菌性髄膜炎 非常に稀ですが、髄膜炎を起こすことがあります。流行性耳下腺炎のワクチン接種後、2週間程度の間に、発熱、頭痛、嘔吐などが見られたら、医療機関を受診するようにしましょう。
Bはしかやみずぼうそう、おたふくかぜなどの病気にかかってしまった場合、その後の予防接種は?
これらの伝染力の強い病気にかかった場合は、1か月は予防接種をひかえます。これらの病気は伝染力が強いばかりでなく、身体の中でも非常に強い免疫反応が起こっているため、1か月以内に予防接種を受けた場合、そのワクチンの成分に対して、ほとんど身体は免疫力をつけるような反応はせず、結局受け直す必要があります。
突発性発疹にかかったあとは、2週間(場合によっては4週間)は予防接種をひかえます。この期間は予防接種を受けても、それに対する十分な免疫反応が起こらないことによります。その他の感染症については、かかりつけ医にご相談ください。
川崎病などの治療で、免疫グロブリンという薬を投与された場合は、予防接種を6か月はひかえる必要があります。これは、その期間に予防接種を受けても、抵抗力をつけるための免疫反応が十分に起こらないことによります。お子さんが入院による治療を受けたような場合は、念のため、その後の予防接種の受け方について、主治医の先生にご相談されるとよいでしょう。
E熱性けいれん(ひきつけ)を起こしたことがあるのですが、予防接種はどのようにうけたらよいのでしょうか?
かつては、けいれんを起こした後1年間は、予防接種を受けることができませんでしたが、現在は、主治医が接種可能と判断し、十分な観察の下であれば、1年経っていなくても、予防接種を受けることができるようになりました。熱性けいれんを起こしたことがある、てんかん等のけいれん性疾患を持っている、という場合は、予防接種の受け方について、一度主治医の先生に相談されるとよいでしょう。
Fアレルギーがあります。予防接種は受けても大丈夫なのでしょうか?
予防接種の接種液の成分によっては、接種後アレルギー反応がみられる場合があります。
最近は、ワクチンの開発が進み、アレルギー反応を起こす可能性のある成分はできるだけ排除して、ワクチンを精製するようになってきました。お子さんがどのようなアレルギーを持っているかによって、予防接種をうけられるかどうか判断することになります。受けてもよいのかどうか、また、受けるにあたって検査が必要な場合もあります。まずは、かかりつけ医にご相談ください。
※お子さんにアレルギーがある場合に注意すべき予防接種として
・インフルエンザ・・・卵アレルギー(接種前に皮膚テストなどが必要)
・麻疹ワクチン・・・・卵アレルギー(程度の軽いものはまず問題ない、
食事制限をしている場合は主治医の判断で皮膚テストなどを行う)
※ゼラチンアレルギーとワクチン
最近まで、ワクチンにゼラチンが含まれていたものがあり、ゼラチンアレルギーの子どもさんが予防接種を受けられない、ということがありました。しかし、現時点では、ワクチンの成分にゼラチンが含まれるものはなく、ゼラチンアレルギーがあるからといって、予防接種の際に神経質になる必要は、全くなくなりました。
G予防接種によって、何回も受ける必要があるものや1回だけでよいもの、次の予防接種までの間隔が長いものと短いものがありますが、なぜですか?
ワクチンには二つの種類があります。一つは生ワクチンといって、細菌やウイルスの成分を生きたまま取り出して、その毒性を弱めたもの。もう一つは不活化ワクチンといって、細菌やウイルスを殺し、必要な成分をとりだして、その毒性を無くしたものです。生ワクチンは、毒性を弱めただけなので、それを接種することで、長く続く免疫力を得ることができます。つまり接種回数が少なくて済みます(ポリオワクチンを除いて、基本的に1回接種)。しかし不活化ワクチンは、細菌やウイルスを殺してしまったものなので、ある程度の期間しか免疫力が持続しません。したがって、繰り返し何回かの接種が必要となるのです。生ワクチン接種後は、身体の中で、強い免疫反応がおこるので、次の予防接種までは4週間空ける必要があります。不活化ワクチン接種後は、生ワクチンほど強い免疫反応ではないため、1週間たてば、次の予防接種を受けることが可能です。
H定期接種の規定の年齢を過ぎてから、受けていないことに気付きました。どうしたらよいでしょうか?
定期接種で定められているのは、それぞれの病気を予防する上で重要な基礎免疫というものをつけるための、とても大切な期間なのです。したがって、規定の年齢を過ぎてしまったから受けなくてもよい、というものでは決してありません。そのよい例が風疹ワクチンです。子どものころにワクチンを受けなかった、あるいは風疹のかかったことのない女性が、妊娠初期に風疹にかかると、生まれてくる赤ちゃんに重大な奇形が起こる可能性が、非常に高くなります。他の予防接種についても、受け忘れたら、または受けたかどうかがはっきりしないのであれば、放っておかずに、かかりつけ医に相談してください。
I受けなければいけない予防接種がたくさんありすぎて、何から受けたらよいのかわかりません。
地域の保健センターの予防接種の予定表などから、受けられるものから早めに受けていくのが望ましいのですが、それぞれのお子さんの状況によって、変わってくる場合があります(例えば、保育園に預けることになった、風邪などで受けそびれてしまった、など)。また、1歳のお誕生日を過ぎたらできるだけ早く麻疹の予防接種を受けた方がよいのですが、そこに三種混合の予防接種などが重なると、接種間隔がずれてしまったりします。それぞれの状況に応じた、適切な順序がありますので、保健センター、またはかかりつけ医にお尋ねください。